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大きな大きな洞窟が延々と広がっていた。天井は大きく穿たれ、空がつかめるかのような錯覚さえ抱かせた。

大きく空いた洞窟の蓋から,月の光が舞い込み,夜の闇と洞窟の黒が混ざった深い闇を幾らか和らげていた。

洞窟の内壁は思い思いに伸び,複雑な文様を形度っていた。

そこには、家とも呼べないようなそまつな布きれのテントがたくさんあった。

岩床から生える無数のテントの頭あたりから,穿たれた天井へ向けて多くの虹色の虫たちが舞っていた。

その虫たちは,電燈のように煌々と淡い白色の光を放ち,岩床のテントたちを無軌道に照らしていた。

虫は頑健な下顎の毒々しい面を持ち、そこに住む者からは忌み嫌われていた。

しかし,洞窟の中にある幻想的な光景の一部を形作っているのが,その,ガラスのような透明な羽を持った虫たちであることは,疑いようがなかった。 

その洞窟のへりに少女がひとり,石のようにじっと膝を畳み座っていた。

洞窟のへりは特に風が強く,外を舞う雪が風と共に舞い込んで,少女の花緑青色の髪や顔にぶつかり,散開した。

その端正な顔立ちに映える大きな黒い目は,しかし,とてもうつろな色を放っていた。

なにより,その瞳はなにもない中空を凝視し,少女の心がここに無いことは明らかだったし,永遠に失われた可能性さえ感じさせた。

そして,時折その瞳から伝う涙は、脳裏に刹那に映し出される映像の過酷さを物語っていた。少女はずっと、凍った空気に身を委ねながら,現実に帰ることを頑なに拒んでいるかのようだった。

だが、わずかに、なにかにきづいたかのように、少し顔をあげた。そして,少女は期待しないように気をつけているのか,ゆっくりと後ろを振り向いた。

少女の視界に入ったのはまず,岩床から無数に生えたテントに住まう者たちの生活の様子だった。

その者たちの中には,少女と同じような眼をしているものも、すくなくなかった。

少女の視線上にいた,派手なスカーフを頭に巻いた女が呟いた。

女「一体、いつになったら助けが来てくれるのかな。助けなんか来るのかな。」
漁師「たすけなんかこんて。だれが助けてくれるんや。」
女「わかってる。下の連中なんて、信用ならないもんね。でも、ここにだっていつ奴らが来るかわからない。」
漁師「きたらええ。わしが倒してやるわ!」
女「ふん。あんたなんか、みんなとおんなじでやられっちまうわ。いま必要なんわ、冷静な判断力よ。」
漁師「この野郎!」

漁師の頭で何かがはじけ飛んだ。漁師は大きく開いた口から盛大に唾液を飛ばしながら、女に飛びかかった。こうなっては、漁師をコントロールすることは、漁師にも難しかった。

漁師の拳は、女の顔にめりこんだ。それをみた女の亭主は、目を大きく見開いた。そして、次の瞬間、鬼のような形相で漁師に飛びかかった。

こんな諍いは、ここでは日常茶飯事だった。緊張感と、停滞した空気は、無用な争いを生み出した。

少女が気付いて顔を向けたのは、そんな停滞した空気に吹き込んだ、外からの一陣の風だったのかもしれない。


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