カテゴリ: 著作権  タイトル: 映画の著作物
更新2016-09-18 15:44:24

映画の著作物とは

映画の著作物は、著作権法で例示される著作物の一つです(著作権法10条1項7号)。
映画の著作物について、直接の定義規定はありませんが、著作権法における映画の著作物には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、当該映画の効果に類似する効果で表現された著作物が物に固定されている場合を含むと定められています(著作権法2条3項)。

判例はビデオゲームパックマンが映画の著作物に該当するかが争われた事件で、映画の著作物に該当するための3要件を定立したうえで、ビデオゲームパックマンは映画の著作物に該当すると判断しています。

平成 6年 1月31日東京地裁判決より抜粋

著作権法の規定によれば、映画の著作物と認められるためには、次の三つの要件を充足する必要があり、かつ、その要件を充足しているものであれば、本来的な意味における映画以外のものも映画の著作物として保護されているものと解すべきである。
   (一) 映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現されていること(表現方法の要件)
   (二) 物に固定されていること(存在形式の要件)
   (三) 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものであること(内容の要件) 

映画の著作物を客体とする著作権の権利帰属

著作権は第一次的に著作物の著作者に帰属します(著作権法17条1項)。著作物の著作者は、原則的に著作物を創作する者をいいます(著作権法2条1項2号)。

映画の著作物の著作者は、制作(プロデューサー)、監督(映画監督)、演出(ディレクター)、撮影(撮影監督)、美術(美術監督)等を担当した、映画の著作物が形作られる過程に全体的に影響を及ぼした者とされます(著作権法16条)。すなわち、映画の著作物について、著作物を創作する者には、部分的な関与に留まるアシスタントの立場のスタッフは含まれないことになりますし、映画製作者というだけで映画の創作に全体的に関与していない映画製作者も映画の著作者からは明確に除外されたことになります。

次に、著作権は原則的に著作物の著作者に帰属(著作権法17条1項)するはずですが、映画の著作物については映画の著作物の著作者が映画製作者に当該映画の製作に参加することを約束している場合は、映画製作者に帰属することになります(著作権法29条1項)。映画製作者とは、映画の著作物の製作に発意と責任を有する者を言います(著作権法2条1項10号)。発意と責任とは、映画の製作を志向し、当該映画製作について経済的な出捐の主体であり、法的にも権利義務の主体となるよう場合を言います。

なお、昭和46年1月1日より以前に完成した映画の著作物については、著作権法29条の適用はありません(著作権法附則5条1項)。

頒布権

映画の著作物の著作者は、映画の著作物の複製物を頒布する権利を専有します(著作権法26条1項)。

複製とは、印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法で有形的に再製することを言います(著作権法2条1項15号柱書)。録音とは、音を物に固定し、又はその固定物を増製することを言います(著作権法2条1項13号)。録画とは、影像を連続して物に固定し、又はその固定物を増製することを言います(著作権法2条1項14号)。したがって、映画の複製物とは、映画の著作物を録音・録画などして有形的に再製したものを言います。

次に頒布とは、有償、無償を問わず複製物を公衆に譲渡、貸与する行為を指し、映画の著作物においては、映画の著作物を公衆に提示するために複製物を譲渡し、貸与する行為を含みます(著作権法2条1項19号)。なお、著作権法における貸与は、いかなる名義、法形式かを問わず、実質的に貸与に当たる行為を含みます(著作権法2条8項)。

保護期間

映画の著作物の著作権の保護期間は、70年とされています(著作権法54条1項)。平成16年1月1日時点において著作権が存続していた映画の著作物については、保護期間が延長されることになります(著作権法平成15年6月18日附則第2条)。ただし、旧著作権法下の映画の著作物で、その保護期間が著作権法54条1項より長期に及ぶ場合においては、著作権法54条1項は適用されないことになります(同附則第3条)。

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